はい、どうも。ヴァシコ(@vasico003)です。
前回・前々回と続けて『警察官になるなら諦めたい4つのことシリーズ』。
今回、いよいよ完結編です。
前編・中編はこちら↓
さて前回、警察は休日出勤が多いこと、その休日出勤が不当なものであるということを訴えました。
(詳しくは、中編を読んでください。)
今回は
というあたりにスポットを当てつつ、最後の1つについて話したいと思います。
警察官になるなら諦めたいこと。
4つ目は、労働に関する権利。
すなわち労働基本権です。
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労働基本権ってなんぞ?
(もう知ってるよって方や小難しい話が嫌いな方は、どうぞ読み飛ばして2に行っちゃってください。)
法律はあんまり詳しくないので、引用します。笑
労働基本権とは労働者がその労働に関して持つ権利のことであり、特に雇用者に対し労働条件・労働環境の促進または維持を求める行為に係る基本権を言う。
引用:Wikipedia
例えば会社員であれば、労働の条件や環境が悪ければ、会社に文句を言って、それを変えてもらう権利を持っているワケです。
そして、これを可能にするのが労働三権。
団結権・団体交渉権・団体行動権の3つ。
小学校で習いましたね。
コレもぼくが説明するより絶対分かり易いので、引用しちゃいます。
団結権は、勤労者が使用者と対等の立場に立って、労働条件などについて交渉するために労働組合をつくる権利、また労働組合に加入する権利を指す。
団体交渉権は、使用者と交渉し、協約をむすぶ権利である。
団体行動権は、団体交渉において使用者に要求を認めさせるため、団結して就労を放棄する、つまりストライキをおこなう権利である。
引用: Wikipedia
警察には労働三権がない
じゃっかん前置きが長くなりましたが・・・
この労働三権、警察には認められていないんです(゚Д゚)!
民間企業のように労働組合を作ることも、労働条件や環境について組織と交渉することも、ましてやストライキすることもできません!
どんなに労働条件・労働環境がひどくてもです。
そもそも、その権利がないワケですから。
ちなみにこの労働三権、警察だけでなく他の公安系公務員にも認められていません。
消防や自衛隊、海上保安庁など、わかりやすく言えば、人を救う系の公務員ですね。
考えてみれば当然ですよね。
もしも警官たちが
なんて言ったら、とんでもないことになります。
その期間中、犯罪し放題ですもん。笑
善良な市民は困ります。
でもコレ、海外では結構認められているようなんですよね。
去年のリオ五輪の時なんか、ブラジルの警察がストライキしてましたし。
日本より全然治安悪いのに…。
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労働基本権がないことを悪用してません?
まぁ、ここまではいいんです。
でも疑問なのは
ということ。
民間企業の場合
民間企業を例にとってみましょう。
会社の目的は利益をあげることですよね?
完全にこれのみにコミットするなら、
①社員を休みなく働かせる。→売上アップ
②給料は限界まで下げる。→人件費カット
これが最良の方法です。
でも、これだと完全に人権侵害ですよね。
だからこういう場合、組合を作って会社と戦ったり、ストライキしたり、労働基準監督署に訴えたりができるワケです。
そのための労働基本権ですから。
警察の場合
いっぽう警察。
目的は治安の維持。
そう、コレが目的だからこそ労働基本権がないことも理解できるんです。
消防も自衛隊も海上保安庁も同じ。
人の生命や身体・財産を守るのが目的だからこそ、ストライキなんて言ってる場合じゃないんです!
しかし、ココで疑問なのが
ということ。
警官たちが休日返上でやらされていることは、単なる実績稼ぎです。
これが本来の目的である治安維持につながらないとは言いません。
しかし警官たちに休日出勤させることの目的は、治安維持ではなく、あくまで数字(実績)の追及です。
(これをやる理由は、実績の多寡が上の人間の評価につながるからだと考えています。)
これでは民間となんら変わりありません。
数字(利益)を追及すればするほど、労働条件・労働環境が悪化するからこそ、会社員には労働基本権というブレーキが与えられたハズです。
では警察はどうでしょうか?
治安の維持が目的という前提があるために、いくら数字を追及して警官たちをこき使っても、そこにはブレーキが用意されていないんです。
先ほどの民間の例でも挙げましたが、数字を挙げることに完全にコミットするなら
①職員を休みなく働かせる。→実績アップ
②給料は限界まで下げる。→人件費カット
この方法がベストだと書きました。
たとえ警察組織がこのやり方を突き詰めたとしても、警官は誰にも助けてもらえないんです。
組合を作って組織に抗議することも、ストライキすることも、労働基準監督署に訴えることも一切できません。
そして現に、上の①・②は現在進行形で行われています。
(営利団体じゃないのにも関わらず。)
本来なら上の人間が代わりにブレーキになって、警官たちを守るべきです。
そうでなければ、いつか壊れてしまいます。
しかし、悲しいかな上の人間たちは、部下たちの体よりも自分たちの利益を追求しています。
ブレーキになるどころか、この状況を利用して警官たちを酷使しているのが現実です。
警察時代から思っていたことですが、警察組織による一番の犠牲者は間違いなく多くの警官たちですよ(゚Д゚)
これから警官になるって方は、そのあたり頭に入れておいて損はないです。
まとめる
前々回の記事から今回の記事までをまとめます。
警察になるなら、休みは諦めたほうがいいです。
不当な休日出勤ばかりですから。
そしてそれがいくら続こうと、労働基本権がないため、従うしかないのが現状です。
(現状といいましたが、これからも酷くなる一方だとぼくは思っています。)
自由とプライバシーもありません(゚∀゚;)
さらに言うと、今はどんどん下がって給料も安いです。
警察になりたいという方、希望を壊してしまったでしょうか?
それでもやりたいという方、きっと厳しい警察でも耐えてやっていけるでしょう。
(ただ体には気をつけてください。)
さて散々ディスってしまいましたが、個人的にはぼくは、この記事が警察にとってマイナスになるとは思っていません。
実情を知らずに警官になっても、続かなければ組織も当人も不幸になるだけです。
実情を知ってもなお、強い意志を持って
という人がなってこそ、組織にも本人にもプラスになるハズです。
・・・
さてさて、キレイにまとめようとしましたが。
今もこの状況に苦しんでいる現職警察官の方たちが沢山いるのもまた確かなワケで…(´・ω・`)
そんな方々のためにも、次のテーマはズバリ、
『警察からの転職』。
これについて書いていきたいと思います。
乞うご期待(`・ω・´)ゞ
おわり
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