はい、どうも。ヴァシコ(@vasico003)です。
前回に引き続き『警察官になるなら諦めたい4つのことシリーズ』。
今回は中編です。
前編はこちら↓
さて前回、警察官になるなら諦めたほうがいいもの4つのうち、2つを紹介しました。
1つ目が自由で、2つ目がプライバシー。
どっちもメチャクチャ重要な物ですね(゚д゚lll)
今回は、3つ目をご紹介します。
前回に負けず劣らず大事な物ですよ。笑
警察官になるなら諦めたいこと。
3つ目は、「休み」です。
休みのなさについては、このブログでも何度か触れていますが、今回は
このあたりのカラクリを解明していきたいと思います。
※最初にことわっておくと、ぼくは交番勤務しか経験していないので、刑事課など他の課の話は詳しくできません。以下はあくまで、ぼくのいた地域課での話になります。そのつもりで読み進めてくださいm(_ _)m
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目次
交番警察官の仕事サイクル

警視庁を除けば、各道府県警の地域課の勤務サイクルは「3交代制」。
上の図で1係勤務の人なら、水色の24時間が仕事の時間帯で、他の係が勤務するピンクと黄色の時間帯は原則オフです。
仕事前の準備や次の係への引継ぎなんかもあるので、実際の仕事タイムは30時間弱ってトコですが。
ただ、ピンクと黄色の時間帯に仕事が入ることもままあります。
交代直前に大きな事件があったり、事件の犯人を捕まえたりすると、処理が終わるまで帰れません。
夜までかかることもザラです。
で、問題なのは、黄色の時間帯。
この日は本来オフのはずなんですが、この休日がしょっちゅう潰れます。
休日出勤の種類
では、どういう時にこの休日がつぶれるのか?
これには、おもに2パターンあります。
①イベントに駆り出される
花火大会やマラソン大会などのイベントが開催されるとき、そこには大量の警官たちが警備についていますよね?
あの警官たちって、実は本来その日オフだった人たちなんです。
だって、その日が仕事の人たちは、通常の業務にあたっていますから。
こうしたイベントがあるたびに、休みが潰れていくわけです。
マラソン大会なんて、道路を封鎖するから、道行く人たちにすごい文句を言われるんですよ。
ぼくも警備をしていて、外国の方に
と連発されたことがあります。
でも、一番文句を言いたいのは、休みを潰された挙句、市民に文句を言われる警官たちです。
(少なくとも、ぼくはそう思ってました)
他にも、全国一斉飲酒検問や武道大会など。
警官としては、有り難くないイベントが盛りだくさんです(゚∀。)
まぁ、このへんは時間外でお金が貰えるので百歩譲っていいんですが、問題はこの次……。
②ノルマ不足で自主出勤
これです。
このブログでもたびたび触れていますが、警察には係のノルマというものがあります。
これが足りないと、係長が上から怒られます。
その結果、休日がサービス出勤の嵐になるワケです。
そのカラクリを説明しましょう。
(あくまで、うちの署の場合です)
サービス出勤のカラクリ
さて、うちの所属する係は、全体のノルマが未達です。
係長は署の偉い人(役職等は伏せます)に毎回、その実績状況を報告しなければなりません。
ぼくのいた署では、当時こんなやりとりが頻繁にされていたそうです。
こんな感じです。
ちょっと駆け引きが分かりづらかったかもしれませんね。
要はまず、実績が足りない時点で「どうするか?」と聞かれたら、係長は「休日に仕事します」としか答えられないワケです。
この偉い人は、そのことを分かったうえで聞いています。
でも、直接「やれ」なんて言ってませんよね?
あくまで係長が、自主的に「やる」と言ったんです。
つまりは
ってことです。
暗黙の了解ってやつですな。
そして、係の実績というのは、あくまで係員が稼いでくるもの。
係長が休日返上で仕事すると宣言した以上、係員全員強制参加です。
当然、無給で(゚д゚lll)
こうして、ノルマが達成できるまで、不毛なサービス出勤は続きます。
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ノルマ未達の理由
とはいえ、ノルマが未達だからサービス出勤をするはめになるワケで、達成すれば問題ないですよね?
でも、このノルマが達成できないことにも、ちゃんと理由があったんです。
警察には、検挙の強化月間というものがあります。
ぼくのいた県警では年2回ありました。
これに該当する月は、ノルマが他の月よりも多くなります。
要は、年に2回は、めちゃくちゃ頑張らなきゃいけない月があるんです。
(まぁ、それ以外の月も大変なんですが……)
民間企業でいえば、繁忙期のようなものですかね?
で、うちの署で署長が変わった時、新しい署長が毎月言うんですよ。
ミニと付いていますが、全然ミニじゃありませんでした。
毎月、強化月間並みのノルマを押し付けられるんです。
(署全体の実績が高いと、署長の評価があがるんでしょうか?まぁ、これは憶測ですが。)
さっき言った民間企業の例で言えば、毎月繁忙期になるようなもの。
これがどれだけ大変か……。
AKBの総選挙だって、もし毎月やっていたら、ファンはあんなに投票券を買うでしょうか?
オリンピックやワールドカップが毎年開催されていたら、あんなに盛り上がるでしょうか?
それらと同じで、毎月強化月間並みのノルマを押し付けられた警官たちは、果たして毎月頑張れるでしょうか?
ってことなんです。
しかも、
- ノルマが達成できないぶんは、休む間もなくサービス出勤でカバー
- 警官は疲れと不満が溜まって、パフォーマンスが落ちる
- 実績がますます減って、サービス出勤がさらに増える
- 以下、無限ループ
これがずっと続きます。
ノルマが毎月増えた結果
それでは、毎月強化月間のノルマを押し付けられた警官たちは、果たしてどうなったのでしょうか?
以下、3つの結果が得られました。
①事故多発
ぼくのいた係の話ですが、バイク勤務員の若手たちが仕事中、次々と事故を起こしました。
幸いにして、自損事故かつケガがない軽微なものばかりでしたが、明らかに過労による注意力低下が招いた結果です。
バイク勤務の若手は6人いて、うち4人が事故。
ぼくは事故こそ起こしませんでしたが、かわりに仕事中に赤信号を無視しちゃいました。
(これは過労、関係ないか。笑)
②病人・けが人が出る
うちの係では病人が2人、けが人が1人出ました。
病人のうち1人はぼくで、もう1人はうつ病でしたね。
ちなみに病気で休職中も、じゃんじゃん電話がかかってきましたよ。笑
「早く復帰しろ」って。
うつ病になった上司は、医者から「治るまで半年から1年の療養を要する」と言われたそうですが、一緒に付いてきた係長が医者に、診断書に「1カ月で治る」と書かせてたと言っていました(゚д゚lll)
このため、この上司は休職できたものの、1か月で無理矢理に復帰させられたのです。
けがをした人は上司ではありませんが、50代後半の年配の方でした。
仕事中、バイクを押している最中に突然アキレス腱が切れたそうです。
けがをした人は、この少し前に交通違反のキップを切った際、違反者に
と言われていたそうなので、その呪いが原因だった線も完全には否定できません。
ですが、ふつうに考えれば、過労で体に無理がたたったのでしょう。
事故や病人・けが人が多発しても、偉い人たちは過労が原因だとは全く思わなかったようで、休日出勤が減ることは全くありませんでした。
では、肝心の実績はどうなったのでしょうか?
③実績、県で下から2位!
毎月を強化月間にして、署員を休みなく働かせた結果……
県下50以上の署があるうちで、なんと……
下から2番目( ;゚Д゚)
やっぱり、働きすぎはパフォーマンス落ちるんですね(゚∀゚;)
ちなみに、他の署の同期の話なんかを聞くと、大体どこの署も似たような感じで休日出勤の嵐らしいです。
てことは、単純にうちがダメだったってことか。ハハッ(゚∀゚)
以上、『警官になるなら諦めたい4つのこと』のうちの3つ目は「休み」でした。
……
ところで、こんなことがまかり通っていいんでしょうか?
実は、その理由には、次の4つ目が大きく関係しています。
後編につづく(゚Д゚)
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