※この記事はサンプル用です
不動産投資とは、マンションやアパートなどの物件を購入し、賃貸することで家賃収入を得るタイプの投資です。これだけ聞くと、単純なように思えますが、不動産投資は、実に奥が深い投資です。
この記事にたどり着いたあなたは、不動産投資について、もう少し詳しく知りたいと思っているのではないでしょうか。そこで今回は、不動産投資の仕組みや種類、メリットやリスクなどについて説明していきます。
目次
不動産投資で利益を得られる仕組みとは?

不動産投資で得られる収入は、大きく以下2種類に分けられます。
- 運用益(インカムゲイン)
- 売却益(キャピタルゲイン)
ここでは、それぞれの収入について説明していきましょう。
安定的に収入が得られる「運用益」
「運用益」とは、資産を保有していることで得られる利益です。不動産投資の運用益は、主に家賃収入を指します。入居者がいる間、その不動産物件のオーナーは、毎月家賃収入が得られます。
とはいえ、家賃収入のすべてが、オーナーの利益になるわけではありません。利益は「収入-支出(経費)」の計算式で求められます。不動産投資を行ううえでは、定期的に以下の経費がかかります。
- 固定資産税や都市計画税
- 火災保険料や地震保険料
- 管理費や修繕積立金
- PMフィー(管理会社に支払う管理料)
このほかにも、入居者が退去したときはリフォーム費用もかかるほか、新しい入居者を募集するための費用も必要です。こうした経費は、物件の種類や築年数によっても異なりますが、おおむね年間の家賃の10~30%かかります。年間の家賃収入から、これらの経費を引いた額が、不動産オーナーが得られる利益になります。
うまくいけば高収入が一度に得られる「売却益」
「売却益」は、不動産物件を購入時よりも高い価格で売却したときに得られる利益です。例えば、4,000万円で購入した物件を5,000万円で売却できれば、差額の1,000万円が売却益になります。この方法は、購入した不動産物件の価値が上昇したときに有効です。
ただし、売却益を狙って得ることは、プロの不動産投資家でも難しいと言われています。そのため、不動産投資では、あくまで運用益を狙っていくのが基本です。
不動産投資の利回りとは?

不動産物件を選ぶうえでは、投資額に対する収益(または収入)の割合である「利回り」が重要です。高利回りな物件ほど、収益性も高くなります。例えば、2,000万円の物件の場合、年間の利回りが5%か10%かで、得られる金額は以下のように変わります。
年間の利益の額 | |
利回り5%の物件 | 100万円 |
利回り10%の物件 | 200万円 |
このように、投資額が同じでも、利回りが倍違えば、利益の額も倍になります。そのため、不動産投資では、賃貸需要があることが前提ですが、なるべく高利回りな物件を購入するようにしましょう。利回りには、以下の2種類があります。
- 表面利回り
- 実質利回り
「表面利回り」は、経費の額を考慮しない、表面的な利回りです。表面利回りは、以下の計算式で求められます。
「実質利回り」は、経費の額も考慮に入れた、実質的な利回りです。実質利回りの計算方法は、以下のとおりです。
経費の額も考慮しているぶん、表面利回りより、実質利回りの方が、数値は低くなります。実際の利回りは実質利回りに近くなるので、物件を選ぶうえでは、表面利回りよりも実質利回りを重視するといいでしょう。
初心者にはどれがおすすめ?不動産投資の種類

不動産投資には、物件のタイプによって、主に以下の種類があります。
- 区分マンション投資
- 一棟マンション・アパート投資
- 戸建て投資
ここでは、それぞれの内容について、説明していきます。
区分マンション投資
「区分マンション投資」は、一棟のマンションのうち、1部屋単位で購入するタイプの不動産投資です。区分マンション投資のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット |
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デメリット | リターンが少ない |
ローリスク・ローリターンな区分マンション投資は、初心者におすすめです。
一棟マンション・アパート投資
「一棟マンション・アパート投資」は、マンションやアパートを一棟まるごと購入し、全部屋を貸し出すタイプの不動産投資です。一棟マンション・アパート投資のメリット・デメリットは、以下のようになっています。
メリット |
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デメリット | 失敗したときの損失が大きい |
投資額の大きい一棟マンション・アパート投資は、ハイリスク・ハイリターン。一棟マンション・アパート投資は、不動産投資に慣れてきてから始めるのがおすすめです。
戸建て投資
「戸建て投資」は、一戸建ての住宅を賃貸するタイプの不動産投資です。戸建て投資では、築年数の古い「築古戸建」が人気となっています。築古戸建のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット |
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デメリット | リフォーム費用が高額になりやすい |
一戸建ては、ファミリーに長期間入居してもらいやすいため、マンションやアパートに比べて、空室リスクが低くなります。ただし、入居期間が長いと、退去後のリフォーム費用が高額になりがち。購入時も、物件の状態によっては、賃貸するまでに多額のリフォーム費用がかかるので注意しましょう。
不動産投資の3つのメリット

不動産投資には、主に以下3つのメリットがあります。
- 何もしなくても定期的に収入が得られる
- 資金が足りなくてもローンを利用して始められる
- 不動産収入が生命保険や年金のかわりになる
ここでは、それぞれのメリットについて説明していきましょう。
何もしなくても定期的に収入が得られる
不動産物件の管理は、管理会社に委託するのが一般的です。管理会社に委託すれば、主に以下の作業をかわりにしてもらえます。
- 共用部の清掃や点検
- 入居者の募集
- 家賃の集金や督促
- 入居者のクレーム対応
- 設備の修繕時の対応
このように、不動産投資を行ううえで必要な業務を代行してもらえるため、オーナーには手間がかかりません。つまり、不労所得のように、家賃収入を得られるのです。
資金が足りなくてもローンを利用して始められる
不動産投資を始めるには、物件を購入するために、高額な初期費用がかかります。しかし、物件を購入できるだけのお金がないからと言って、始められないわけではありません。なぜなら、不動産投資では、金融機関から融資を受けられるからです。
融資を受けるには審査がありますが、会社員など、安定して給与が得られる身分であるなら、審査に通ることは、それほど難しくはありません。実際に、サラリーマンの不動産投資家も、たくさんいます。
ただし、融資を受ける場合、借入金の額が高いほど、リスクも高くなります。そのため、融資を利用する場合でも、リスクを低く抑えるために、なるべく多くの自己資金を用意しておきましょう。
不動産収入が生命保険や年金のかわりになる
不動産投資で得られる収入は、いざというときの生命保険や、年金のかわりにもなります。
不動産投資用の物件を購入するにあたって、融資を利用する場合、「団体信用生命保険」に加入するのが一般的です。団体信用生命保険とは、ローンの返済中に債務者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合に、ローンの残債を保険会社に肩代わりしてもらえる保険です。
これなら、万が一のことがあっても、残された家族に借金を負わせてしまう心配はありません。さらに、残った物件はそのまま賃貸できるので、遺族は毎月、安定した家賃収入が得られます。
不動産投資の収入は、老後の年金がわりになるのもメリットです。安定した家賃収入があれば、生活に十分な額の年金がもらえなくても、豊かな老後を送れます。
不動産投資の3つのリスクと対策方法

不動産投資には、主に以下3つのリスクもあります。
- 家賃収入が得られない「空室リスク」
- ローンの利息額が高くなる「金利上昇リスク」
- 火事や地震の被害にあう「災害リスク」
ここでは、上記のリスクと、それぞれの対策方法について説明していきます。
家賃収入が得られない「空室リスク」
「空室リスク」とは、所有している不動産物件に入居者がつかず、空室になるリスクです。
複数の物件を所有している場合は、空室の数だけ、家賃収入の額が減ってしまいます。所有している物件が1つだけなら、その期間中、家賃収入は一切得られません。融資を受けている場合は、毎月返済が発生するため、空室期間中は、自己資金で賄わなければなりません。そうならないためにも、空室リスクの対策は、しっかりしておきましょう。
空室リスクの最大の対策は、賃貸需要の高いエリアにある物件を購入することです。賃貸需要が高ければ、入居者が退去しても、すぐに次の入居者が付く可能性が高くなります。以下のような地域は、人口流入数が多いため、安定した賃貸需要が望めると言えるでしょう。
画像引用:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2019年(令和元年)結果」
空室リスクを低くするうえでは、立地の良い物件を選ぶことも重要です。好立地な物件の主な条件は、以下のとおりです。
- 駅まで徒歩数分で行ける
- 最寄り駅から都心部まで電車1本で行ける
- 周辺に大型の商業施設などがある
こうした立地にある物件は、利便性が高いため、入居者が付きやすくなっています。
ローンの利息額が高くなる「金利上昇リスク」
ローンの金利のタイプには、主に以下2種類があります。
メリット | デメリット | |
固定金利 | 金利が一定 | 金利が高い |
変動金利 | 金利が変動する | 金利が低い |
「固定金利」は、金利が高いものの、ローンの返済中に金利が変動することはありません。「変動金利」は、市場金利の変動によって、ローンの金利が変動するため、利率が途中で上昇する可能性があります。 これが「金利上昇リスク」です。
金利が上昇すれば、ローンの1回あたりの返済額も高くなります。金利上昇リスクを避けるためには、最初から固定金利のローンを選ぶのが有効です。
火災や地震の被害にあう「災害リスク」
不動産物件は、火災や地震などの被害にあうこともあります。建物が被害にあったとき、何の準備もしていなければ、その時点で不動産投資の継続を諦めるか、自己資金で建物を修繕しなければなりません。どちらにしても、多額の費用が無駄になってしまいます。
そうならないためにも、あらかじめ火災保険に加入しておきましょう。火災保険では、以下のように、様々な災害が補償の対象となっています。
- 火災
- 落雷
- 爆発
- 風災
- 雪災
- 水災
※保険会社やプランによって対象範囲が異なるので、加入の際は補償対象をしっかりチェックしておきましょう
ただし、火災保険では、以下の災害は補償の対象外となっています。
- 地震
- 津波
- 噴火
そのため、火災保険とあわせて、地震保険にも加入しておきましょう。地震保険は、火災保険の特約(オプション)として付帯でき、地震や津波、噴火も補償の対象です。
不動産投資に失敗しないためには?やっておくべき3つのこと

不動産投資は、投資である以上、失敗する可能性もあります。しかし、事前に準備しておくことで、このリスクを低くできます。反対に言えば、何の準備もせずに不動産投資を始めると、失敗するリスクは高くなるということです。そのため、不動産投資を始めるなら、最低限、以下の準備はしっかりしておきましょう。
- 不動産投資について勉強する
- 信頼できそうな不動産会社を選ぶ
- できるだけ自己資金で小さい物件から投資を始める
ここでは、それぞれの内容について、説明していきます。
不動産投資について勉強する
何の知識もないまま、不動産投資を始めても、成功する確率は高くありません。不動産投資で利益をあげるためには、購入する物件が何より重要です。
「収益性が高いのは、どのような物件なのか」
「反対に、避けるべきなのは、どんな物件なのか」
これらの点を知らなければ、良い物件を購入できるかどうかは、運任せになってしまいます。成功する確率を上げるためには、地道な勉強が不可欠です。まずは、不動産投資の書籍を読んだり、セミナーに参加したりして、知識や情報を収集することから始めましょう。
信頼できそうな不動産会社を選ぶ
収益性の高い、良い物件を購入するためには、物件を紹介してくれる不動産会社選びも重要です。なかには、営業成績を上げるために、収益性が低く、経験者なら誰も買わないような物件を、初心者に勧めてくる営業マンもいるようです。
こうした営業マンの言うことを鵜呑みにして、物件を購入すれば、損をしてしまう確率が高くなります。そうならないためにも、物件は信頼できそうな不動産会社から紹介してもらうようにしましょう。
不動産投資のメリットばかりでなく、リスクについてもしっかり説明してくれる会社は、信頼できる可能性が高いと言えるでしょう。また、信頼できそうかチェックする際には、不動産投資会社の口コミが閲覧できる「不動産投資のミカタ」も便利です。
小さい物件から自己資金で投資を始める
不動産投資で大きな失敗を避ける方法は、以下の2つです。
- 販売価格の低い物件を購入する
- なるべく自己資金で物件を購入する
他の投資と同様、不動産投資でも、リスクとリターンの大きさは比例します。リターンが大きいからといって、いきなり一棟マンションなどの高額な物件を購入すると、失敗したときの損失が大きくなってしまいます。
リスクを抑えるためにも、まずは中古のワンルームマンションなど、販売価格の低い物件を購入するようにしましょう。また、融資を利用する場合、借入金の額が大きいほど、失敗したときの損失も大きくなります。
そのため、可能なら、最初は融資を利用せずに、全額自己資金で始めるのがベストです。融資を利用する場合も、借入金が少なく済むように、お金を貯めておくといいでしょう。
まとめ

不動産投資は、「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資と言われています。金利の小さい預貯金よりも大きなリターンが望めて、株やFXのように一夜にして大金を失うリスクもないことから、リスクとリターンのバランスが非常に良い投資となっています。
空室にならない限りは、毎月まとまった収入が得られ、管理会社に管理を委託すれば、運用の手間がかからず、本業の妨げにならないのも不動産投資のメリットです。将来的な年金の不足問題が叫ばれるなか、資産運用の有効な手段として、活用することを検討してみてはどうでしょうか。